あなたはウェブアクセシビリティーという言葉の定義について、どのような認識を持っていますか?
ウェブアクセシビリティーの本来の定義は、全てのユーザーにとって、利用しやすいウェブの実現です。もちろんその全てという言葉の中には、当然のことながら身体に障害のあるユーザーも含まれます。
ところが現実的にはウェブアクセシビリティという言葉は、直接的に身体障害者や、あるいは高齢者にとっての利用しやすさという意味で使われることがほとんどといってよいでしょう。
しかしながら筆者は、このような世間一般的な認識を、あえて修正しようとは思いません。
ウェブの利用価値は、そもそも肉体的なハンデの有無とは全く無関係のはずです。
あるいは、障害者にとってのウェブは、健常者よりも重要かもしれません。 なぜなら障害があるがゆえに、今まで手に入りにくかったような情報や、あるいは商品に、ウェブを通じてアクセスできるようになるからです。
また今までは、誰かの手助けがなければ難しかったようなことも、ウェブを使えば、自分一人の力だけで行えるようになるかもしれません。
このことだけでも、ウェブアクセシビリティー確立のための、充分な理由になる事は、誰の目にも明らかです。
しかしながら、アクセシビリティーの恩恵は、何も障害者だけに限定されたものではないことも、是非知っておいて欲しいと思います。
身近なところで、少し例をあげてみます。
多くの携帯電話には、電話やメールの着信を、着信音だけではなく、光の点滅や振動によって知らせる機能を持っています。この機能は、聴覚に障害を持ったユーザーにはもちろん、マナー上、音を出せない場所にいる時や、周りの騒音がうるさくて、着信音が聞き取れない場所で利用する際にも、非常に有効な機能といえるでしょう。
同一ブランド製の、シャンプーとリンスには、全く同じ形質の容器、統一されたデザインが用いられることが多いので、視覚的要因だけで、瞬時に両者を見分けるのは困難です。にもかかわらず、我々は、目を閉じたまま、手探りだけで、この両者をただちに区別する事ができる場合があります。なぜなら、シャンプーの方にのみ、ポンプの上部に波型の突起が付けられている場合が多いからです。
ウェブアクセシビリティーの確立は、ウェブを作りだす人間(クリエイター)全てが、取り組まなければ実現しません。しかし幸いなことに、ウェブ・アクセシビリティーに関する最大の問題は、単なるクリエイターの認識不足に過ぎません。
アクセシブルウェブを作るための、コーディング上のプロセスの多くは、決して難しいものばかりでは無く、知識さえあればすぐに実践に移すことができる事柄がほとんどです。
必要なものは、ちょっとしたきっかけと正確な情報だけです。
ウェブアクセシビリティーについての知識を得ることによって、あなたのウェブコーディングに対する認識は、確実に変化します。もちろんその変化は、将来的に多くのユーザーに恩恵をもたらすであろう実に歓迎すべき変化です。
アクセシビリティーは、ウェブクリエイターにとって、決して無理難題を押し付けるものではありません。ましてや、クリエイターの独創性や、能力に対してバリアになるものでもありません。
もしもあなたが優秀なウェブクリエイターであるならば、ウェブアクセシビリティーについて理解を深めるスタートラインとして、ウェブの最大の価値が、環境に依存しない情報(コンテンツ)の共有にあることを思い出して欲しいと思います。
ウェブアクセシビリティーの最大の目的は、あらゆる形態の出力形式に、スムーズに変換されるコンテンツの作成にあります。